
築年数が古い物件でエアコンがつけられない部屋って本当?穴・消防法・原状回復のリアル
「この部屋、すごく気に入ったけど、エアコンつけられるかな…?」
賃貸物件を探していると、こんな悩みに当たることがあります。
特に築年数が古い建物では、エアコンがまだ一般的でなかったため、現代の設備に対応できないことも多く、実際に「設置できない部屋」も存在します。
築年数が古いから仕方ない、と思っても、「本当に工事不能?」と不安になりますよね。
この記事では、配管用の穴(スリーブ)や消防法・原状回復の制約から、古い物件でエアコン設置が難しい理由を順に解説します。
1. 「配管穴がない」ケースが最も基本
最も多い理由です。エアコンのスリーブ穴がないと、壁に直径約70mm程度の穴を開ける必要があります。
古いアパートやRC造(コンクリート打放し)の物件では、最初から穴がないことがほとんどです
穴がない場合には、大家さんの許可と工事が必要です。ただし構造壁などでは耐火・耐震性の理由から穴あけができないケースも多いです。
2. 躯体壁に穴を開けられない理由
マンションや古い建物では、構造上重要な壁(躯体壁)には穴が開けられないと管理規約で定められていることが多いです。
共用廊下側の壁や隣戸との境界壁など、安全性に関わる壁は穴あけ厳禁。
そのため、「エアコンを設置したくても物理的に不可能」という部屋が存在します。
3. 消防法・耐火措置の要件
特にマンションでは、共用部分や防火区画を貫通する場合に耐火措置が必要です。
これは消防法や建築基準法に基づいており、耐火パテ・キャップなどの専用部材が必須となります h
こうした処置が設計や施工に未対応の場合、騒音や耐火性の観点からも「取り付け不可」と判断されることがあります。
4. 室外機設置スペースの制限
エアコンで忘れがちなのが室外機の置き場。
共用廊下やバルコニーのスペースが狭い、そもそも許可されないなどの場合、配管穴があっても設置自体できません。
廊下設置が消防法で禁止されている物件もあり、これは設置断念の決定打になるケースです。
5. 原状回復義務と撤去費用のリスク
たとえ許可と工事が可能でも、退去時の修繕費用が発生する可能性があります。
賃貸契約書やガイドラインでは「通常使用内の損耗は借主負担にならない」とされますが、穴あけについては過失とみなされがちです 。
さらに配管穴の傷・パテ未処理・耐火措置なしなどで、大きな修繕請求が起きることもあるため、費用負担の所在を明確にしておくことが重要です。
✅ 対策・チェックポイント
| チェック項目 | 確認内容 | 背景 |
|---|---|---|
| 配管穴の有無 | スリーブ穴があるか | 配管穴がなければ角材穴や工事が必要 |
| 壁の種類 | 構造壁かどうか | 構造壁は穴あけ不可 |
| 消防法対応 | 耐火パテなどが施工済か | 指定区画の場合、法的に必須 |
| 室外機スペース | バルコニー・廊下の利用可否 | 許可が無ければ取り付け不可 |
| 契約確認 | 原状回復義務を契約書で確認 | 修繕費負担の有無は重要 |
まとめ:築古=かならずしもエアコン不可ではないが、確認が命
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穴がなければ取り付けほぼ不可。許可と構造・耐火対応が必要
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構造壁や共用部分には穴が開けられない可能性大
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消防法で耐火処置が必要な物件もあり、安全基準の問題
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室外機スペースがないなら設置自体できない
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退去時の原状回復費用については契約書でしっかり確認を